「唯々諾々と必需品を消費してほしいと我々全員に望む経済からの独立」
2017年9月22日
先月久しぶりに紙の本を買いました。
発酵の技法 ―世界の発酵食品と発酵文化の探求 (Make:Japan Books)
- 作者: Sandor Ellix Katz,水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (5件) を見る
納豆をどうやって家で作ろうか考えていたときにインターネットで見かけた本です。ずっと気になっていたのですが、紙の本を増やすことに抵抗があり購入を控えていました。
が、ドライイーストの代わりに自家製酵母という手もあると教わったのを機に(何か盛り上がってしまって・笑)、手元に置くことを決心しました。
写真にあまり興味が無いせいか、読み物は基本、ただただ活字がベターーーーーーーっと並んでいるのが好きです。その私をしてたじろがせるほどの文字量で、具体的なレシピなどは殆ど無く、紙面はほぼ食材別の発酵の理論で埋め尽くされています。
なので、一冊読み通すタイプの本ではなく、何か作ってみたい発酵食品があるときに、該当箇所を辞書的に使う感じです。ザワークラウトの話をしていたかと思うとキムチの話題になり、気が付くとまたクラウトに戻っていたりもするので、完全に辞書というわけでもありませんが、この若干のとりとめのなさも、読む都度何かしらインスパイアされるという意味で結構気に入っています。
何より序文の中の一節がすごく良いのです。
「自分で食品を発酵させることは(略)、唯々諾々と必需品を消費してほしいと我々全員に望む経済からの独立を宣言」すること、だそうで。
ゼロ・ウェイスター的に生活を再構築中の人間としては、かなり心に響く言葉でした。この本を手元に置いているだけで、何か家に自由の風が吹くような。お奨めです!